take's blog -UNFINISH-

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国道6号 帰還困難区域を走る(2016.8.13)

先日、国道6号を走って福島県浜通り地方へ行ってきました。

 

東日本大震災から約5年半、浜通り地方にある福島第一原子力発電所事故は、今後数十年にわたる廃炉に向けた収束作業が行われています。

原子力災害という最悪の被害を受けた浪江町双葉町大熊町富岡町等の地域は、放射性物質による高線量によって帰還困難区域や居住制限区域に指定されており、依然として一般人の立ち入りや居住が制限されています。

そんな帰還困難区域等を貫く浜通り地方の大動脈である国道6号は、2014年9月15日から帰還困難区域内の一般車両の通行が可能となっています。

震災以降、東北の津波被災地は殆ど走行していますが、唯一走行していない区間国道6号浪江町以南でした。

(震災後に南相馬市まで行ったことがありましたが、当時は国道6号の帰還困難区域を含む区間は通行止めでした。)

 

今回はいわきが目的地のため、仙台方面からの最短ルートである国道6号を往復することになりました。

天気も良く、窓全開でのドライブが気持ち良い日でしたが、帰還困難区域を通行する際は、窓を閉めてエアコンを内気循環に設定することが呼びかけられていますので、指示に従って帰還困難区域に入りました。

なお、二輪車や歩行者の通行が禁止されているため、規制区間の手前では警察官や警備員が立っており、常時監視していました。

 

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区間内は駐停車禁止で、車外に出ることも禁止されています。

一般車両は国道の通り抜けのみが許可されているため、ガードレールやバリケードによって逸脱できないようになっていました。

 

上記の写真は大熊町内ですが、ガードレールと高いバリケードが住宅や店舗の前に設置されている光景は異様でした…。

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区間内の道路上には、放射線量のモニタリングポストが3ヶ所ほど設置されていました。

上記の写真は福島第一原発から直線距離で2~3㎞という地点で、電光掲示版の表示は約7.8μsv/hだったと記憶しています。

地元である盛岡市の空間放射線量は0.1μsv/h以下ですし、国の除染基準が1μsv/hであることを考えると、やはり普通では無い土地なんだと実感し、少し恐怖を感じました。

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あれから5年半前が経過しましたが、地震によって崩壊し、そのまま手付かずの建物も見受けられました。

一見すると普通の国道沿いを走っている感じで、街が荒れ果てているようには感じません。

しかし、人もいなくて生活感が無い街並みは、まるで時間が止まっているようでした。

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日本のどこにでもある、自然豊かな風景なのですが…。

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路肩の「ここは帰還困難区域(高放射線区間を含む)」の看板が、今後数十年にわたって人が住むことさえも許されない、非常地帯であることを感じさせます。

 

数字でしか測りえない、目に見えない放射線という恐怖を感じながら、車窓から広がる人がいない街に絶句し、震災当時のことを思い出したりと、色々と考えさせられた約20分、15㎞の道のりでした。

帰宅困難区域を過ぎ、居住制限区域を過ぎ、徐々にお店が営業をしたり、人が生活している街並みが見えると、少しホッとした気持ちになりました。

 

原発事故で分断されていた国道6号が通り抜けできることによって、浜通り地方の交通や経済活動、復旧復興は飛躍的に良くなったのだろうと思います。

しかし、決して収束したとは言えない福島第一原発を横目に見ながら、依然として高放射線量の帰還困難区域を、私のような一般人が自由に通行できるという現実に違和感も感じます。

専門家でも無いので、最終的には公に示された情報を信じるしかないわけですが、ネット上にある線量計で測定された方々の情報を見てみると、区間内には10μsv/h以上の地点も存在するようです。

短時間での通り抜けであれば人体への影響は少ないため、自己責任で通行を許可しているのが現状だと思いますが、何となく利便性や復旧復興を印象付けるための措置のようにも感じます。

 

通行できることによって、通勤通学や仕事等で毎日通らざるを得ない方々もいると思います。

また、帰還困難区域に一般車両が入れるということで、警戒業務に従事する多くの警察官や警備員の方々が必要になると思いますが、今回通行してみて驚いたのは、区間内で従事されている方々が防護服では無く、通常の制服にマスクという軽装で業務をされていた事でした。

状況を見る限り、適切な線量管理と被ばく対策がなされているとは到底思えず、従事されている方々の累積被ばく量も心配せざるを得ません。

 

以上のような状況を考えると、まだまだ時期尚早な感じも否めませんし、より安全を優先するならば、一般車両は国道6号よりは線量が低い常磐道を無料措置にし、迂回させるという措置でも良かったのではないかと思いました。

 

個人的な意見を長々と書いてしまい、長くなりましたが…。

震災から約5年半が経ち、震災や原発事故が徐々に風化しつつありますが、まだまだ東北の被災地、そして福島は今後数十年にわたる復旧復興の途中です。

放射線という見えない恐怖のなか、現場で復旧復興に携わられている方々には、本当に頭が下がります。

国道6号の帰還困難区域の不要不急な通行は避けるべきであり、決してお勧めするわけではありませんが、地震津波、そして原子力災害という史上最悪の被害を受けた福島、浜通り地方の今を知ることができる、唯一無二の道であることは確かです。

今回通行してみて、改めて震災や原発を考えさせられる機会となり、個人的には非常に良い経験をしたと思います。